第二の人生、定年後(3) 会社設立手続きを自分でやってみました。
第二の人生、定年後(3) 会社設立手続きを自分でやってみました。
「自分で出来る株式会社設立手順」をご説明します。開業までの経緯は2014年12月3日付のコラムをご覧下さい。
設立費用は、定款認証9万円+登録免許税15万円=合計24万円でした。
所要期間は、定款作成で1週間+設立手順で2週間=合計3週間でした。
新会社法(2006年5月~)により、設立手続きは簡略化されました。
その結果、素人の私でも、じぶん一人でやれました。
旧会社法
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新会社法 |
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最低資本金
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10百万円以上 |
1円以上 |
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取締役等の人数
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取締役3名以上 監査役1名以上 |
取締役1名以上 |
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払込金保管証明書
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出資金払込時に、金融機関の 払込金保管証明書が必要 |
発起人代表の通帳の コピーで代用可能 |
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商号の使用制限
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同一市区町村に同一事業目的 の会社が存在する場合、同一 又は類似商号の使用不可 |
同一の本店所在地に 同一商号を使わなければ 使用可能 |
私が行った設立手順です。
1.定款を作る
ネットで「株式会社 定款」と検索すると、事例やひな型が出てきます。
参考までに、このコラムの最後に弊社定款を事例として載せてあります。
1)基本事項の決定
会社名、事業目的、本店所在地
2)資本金額の決定
出資者、出資割合
3)役員の決定
代表取締役とその他役員の決定(代表取締役1名でもOK)
2.事業目的の決定(定款で定める事項です)
私の場合は、旅行業、損害保険代理業、各種セミナーの企画、実施など8項目としました。 過去に登記された事業目的は、会社定款目的例検索サイト「イー目的ドットコム」で判ります。
3.会社名の決定(定款で定める事項です)
本店所在地を管轄する法務局に行けば、設置してある端末で商号調査が出来ます。 また、商標登録の有無については、特許庁「称呼検索」で調べることが可能です。
4.地方法務局(千葉)の申請窓口で相談
定款案が出来たら、地方法務局の申請窓口で事前に見てもらい、アドバイスを受けます。 無料です。
5.定款認証
公証人役場で定款認証手続きを行います。事前に電話で予約してから行きます。私の場合は、11月7日に認証を受けました。認証費用は手数料約5万円、印紙4万円で合計9万円です。簡単な手続きですが、費用は高いです。
6.資本金払込
各出資者が発起人(代表者)個人の銀行口座に振り込みます。発起人が1名で、役員1名の場合であっても、自分の口座に自分で振込をします。 法務局への申請書類に、当該通帳のコピーを添付します。
7.印鑑作成
会社代表印(実印)、銀行印、角印の三つを用意しました。 法務局への申請書には実印を押印します。会社の印鑑証明書は、会社登記完了後に行います。
8.地方法務局に申請書類一式を提出
11月11日「いい日」に申請書類一式を管轄の千葉法務局に提出し、受理されました。
私の場合、申請書類一式は、申請書、定款(認証済)、払込を証する書面(通帳コピー添付)、役員の印鑑証明書、別紙(登記事項を記載した文書)でした。
申請内容に問題がなければ1週間程度で登記完了する旨、説明を受けました。
登録免許税15万円を支払い。会社設立に関する費用は定款認証9万円を合せて24万円でした。
私の場合、定款に必要事項を全て盛り込みましたので、以下の書類は添付不要でした。本店所在地決議書(弊社定款第3条参照)、設立時取締役・代表取締役の就任承諾書(弊社定款第27条参照)
9.地方法務局からの申請内容照会
漢字が1字相違しているが、軽微なので訂正しておく旨、連絡を受ける。
定款の目的で「付帯」という漢字を使用したが、申請書の別紙では「附帯」となっていたので、別紙の「附帯」を「付帯」へ修正してもらった。ホットしました。
10.会社設立登記完了
11月20日に千葉法務局の最寄りの支局(佐倉)に出向き、履歴事項全部証明書を取得して、会社登記が完了しました。同時に、印鑑カード発行してもらい、会社の印鑑証明書を取得しました。
トリップパートナーズ株式会社 定款(個人情報は削除)
第1章 総則
(商号)
第1条 当会社は,トリップパートナーズ株式会社と称する。
(目的)
第2条 当会社は,次の事業を営むことを目的とする。
1 旅行業法に基づく旅行業
2 損害保険代理業
3 語学及び文化に関する教育、研修及びその企画
4 各種セミナーの企画、実施
5 各種企業の経営コンサルタント業務
6 インターネットを利用した各種情報提供サービス及び物品販売
7 不動産の賃貸、管理、保有、及び運用
8 前各号に付帯または関連する一切の事業
(本店の所在地)
第3条 当会社は,本店を千葉県佐倉市○○番地に置く。(補足:詳細な住所を記載すれば、本店所在地決議書は不要です)
(公告の方法)
第4条 当会社の公告は,官報に掲載してする。
第2章 株式
(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は,2000株とする。
(株券の発行)
第6条 当会社の発行する株式については,株券を発行しない。
(株式の譲渡制限)
第7条 当会社の株式を譲渡により取得するには,株主総会の承認を受けなければならない。
(株主名簿記載事項の記載又は記録の請求)
第8条 当会社の株式取得者が株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請
求するには,株式取得者とその取得した株式の株主として株主名簿に記載され,若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人が当会社所定の書式による請求書に署名又は記名押印し,共同して請求しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず,利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令に定める場合には,株式取得者が単独で株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請求することができる。
(質権の登録及び信託財産の表示)
第9条 当会社の株式につき質権の登録又は信託財産の表示を請求するには,当会社所定の書式による請求書に署名又は記名押印したものを提出しなければならない。その登録又は表示の抹消についても,同様とする。
(手数料)
第10条 前2条に定める請求をする場合には,当会社所定の手数料を支払わなければならない。
(基準日)
第11条 当会社は,毎事業年度末日の最終株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主(以下,「基準日株主」という。)をもって,その事業年度に関する定時株主総会において権利行使すべき株主とする。ただし,当該基準日株主の権利を害しない場合には,当会社は,基準日後に,募集株式の発行,合併,株式交換又は吸収分割等により株式を取得した者の全部又は一部を,当該定時株主総会において権利を行使することができる株主と定めることができる。
2 前項のほか,株主又は登録株式質権者として権利を行使すべき者を確定するため必要があるときは,取締役の決定により,臨時に基準日を定めることができる。ただし,この場合には,その日を2週間前までに公告するものとする。
(株主の住所等の届出)
第12条 当会社の株主及び登録株式質権者又はその法定代理人若しくは代表者は,当会社所定の書式により,その氏名,住所及び印鑑を当会社に届け出なければならない。届出事項に変更が生じた場合における,その事項についても同様とする。
第3章 株主総会
(招集)
第13条 当会社の定時株主総会は,毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し,臨時総会は,その必要がある場合に随時これを招集する。
2 株主総会を招集するには,会日より1週間前までに,議決権を行使することができる株主に対して招集通知を発するものとする。
(議長)
第14条 株主総会の議長は,代表取締役社長がこれにあたる。代表取締役社長に事故があるときは,あらかじめ代表取締役社長の定めた順序により他の取締役がこれに代わる。
(決議)
第15条 株主総会の決議は,法令又は定款に別段の定めがある場合のほか,出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって決する。
2 会社法第309条第2項に定める決議は,議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し,出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(議決権の代理行使)
第16条 株主又はその法定代理人は,当会社の議決権を有する株主又は親族を代理人として,議決権を行使することができる。ただし,この場合には,総会ごとに代理権を証する書面を提出しなければならない。
第4章 取締役
(取締役の員数)
第17条 当会社の取締役は7名以内とする。
(取締役の選任)
第18条 当会社の取締役は,株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し,その議決権の過半数の決議によって選任する。
2 取締役の選任については,累積投票によらないものとする。
(取締役の任期)
第19条 取締役の任期はその選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 補欠又は増員により選任された取締役の任期は,前任者又は他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする。
(代表取締役及び社長)
第20条 取締役を2名以上置く場合には,株主総会の決議により代表取締役1名を定める。
2 代表取締役は,社長とし,当会社を代表する。
3 当会社の業務は,代表取締役社長が執行する。
(報酬及び退職慰労金)
第21条 取締役の報酬及び退職慰労金はそれぞれ株主総会の決議をもって定める。
第5章 計算
(事業年度)
第22条 当会社の事業年度は年1期とし,毎年11月1日から翌年10月31日までとする。
(剰余金の配当)
第23条 剰余金は,毎事業年度末日現在における株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に配当する。
(配当金の除斥期間)
第24条 当会社が,剰余金の支払の提供をしてから満3年を経過しても受領されないときは,当会社はその支払の義務を免れるものとする。
第6章 附則
(設立に際して出資される財産の価額)
第25条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は,金700万円とする。
(最初の事業年度)
第26条 当会社の最初の事業年度は,当会社成立の日から平成27年10月31日までとする。
(設立時取締役及び設立時代表取締役)
第27条 当会社の設立時取締役及び設立時代表取締役は次のとおりとする。
設立時取締役 〇 〇 〇
設立時取締役 〇 〇 △
設立時代表取締役 〇 〇 〇
(補足:この第27条により、設立時取締役・代表取締役の就任承諾書は不要です)
(発起人の氏名、住所、割当てを受ける設立時発行株式数等)
第28条 発起人の氏名、住所、発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数及びこれと引
き換えに払い込む金銭の額は、次のとおりである。
千葉県佐倉市〇〇番地
〇〇 〇 500株 金500万円
千葉県佐倉市〇〇番地
〇〇 △ 200株 金200万円
(法令の準拠)
第29条 この定款に規定のない事項は,全て会社法その他の法令に従う。
以上,トリップパートナーズ株式会社の設立のため,この定款を作成し,発起人が次に記名押印する。
平成26年11月 7日
千葉県佐倉市〇〇番地
〇 〇 〇 発起人実印
千葉県佐倉市〇〇番地
〇 〇 △ 発起人実印
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