海外旅行英会話

1. 旅する言葉

 

1)お茶(チヤ)

学生時代に海外旅行していたときのことです。欧州からイスタンブールに入ると、チャイという紅茶を皆が飲んでいます。発音は日本語のチヤに近い音です。インドでも紅茶(ミルクティー)はチャイです。ロシアでもチャイ。このようにアジアではチヤやチャイなどと発音されます。

一方、紅茶は欧州ではティー(英国)、テー(フランス、ドイツ)などと発音されます。

お茶は中国起源の飲み物で、発音も中国語が語源だそうです。一口に中国語と言っても、各地で発音が異なります。チヤは広東語の発音で、陸路でシルクロードを伝わった言葉だそうです。一方、テーは福建省の発音で、海路で欧州に伝わったそうです。

写真①:茶の樹は同じ

茶TEA

このように、言葉は世界を廻っています。言葉に国境はありません。

英語も、単語のルーツをたどってみると、ラテン語、ギリシャ語、フランス語など多くの国の言葉が入っていることはご存知のとおりです。

 

2)ツナミ、リキシャ

また、英語には、日本語ルーツの言葉もあります。ツナミとかは有名ですね。

インドを旅していた時の不可欠な乗り物はリキシャでした。ルーツはもちろん日本の人力車です。

写真②:インドの自転車リキシャ

インド リキシャ

人力車は、1870年代以降に日本からアジア各地に輸出され、インドには1880年頃に伝わったようです。英語での人力車は、Rickshaw(リクショー)で日本語由来です。

 

2. 海外旅行で通じない和製英語

海外旅行の際に、日本では英語と思われている言葉が、実は和製英語で海外では通じないケースがあります。例をあげてみます。

 

1) モーニングコール(Morning Call)

いかにも、英語らしい表現です。しかし、これは和製英語です。日本人旅行者が多いホテルの従業員は、経験から学んで、理解してくれる人もいるかもしれません。

正しい英語表現は、wake-up callです。

例文 I’d like to have a wake-up call at eight tomorrow.(明日の朝8時にモーリングコールをお願いします。)

このwake-up callだと時間を問わず、昼寝の後に起こして欲しい場合にも使えますね。

 

2) フロント(ホテルのフロントデスク)

これも、紛らわしい言葉です。ホテルや病院などの受付は通常、英語ではフロントとは呼ばず、reception(レセプション)と表現します。催しの会場を日本でもレセプションと呼びますが、英語ではホテルのフロントも同様にレセプションと表現します。

例えば、ホテルのフロントで待合わせしようとした場合、英語圏で育った人はホテルの玄関ドア付近で待っている可能性があります。

正しく伝える例文としては、Let’s meet in reception at seven tomorrow.(ホテルのフロントで明日7時に会いましょう)となります。

 

3) コンセント(電化製品コードの差込口)

電化製品コードの差込口は、米語ではoutlet、英語ではsocketとなり、コンセントという表現は使いません。このコンセントも和製英語です。

昔、concentric plugという複合語が使われていた時期があり、それがコンセントの由来と言われています。この複合語は今では使われていないようです。

ホテルの部屋でコンセントが見つからない場合には、Where could I find the outlet(又は丁寧にthe wall outlet) to use my personal computer in my room? (パソコンを部屋で使いたいのですが、コンセントはどこにありますか?) と尋ねます。

 

3. 海外旅行でよく使う依頼表現英会話フレーズ(3パターン)

 

定型文を覚えると、それに知っている動詞や単語を加えることで、たくさん応用できます。

 

1) I’d like to (‘dはwouldの省略形です) ~したい。

例文

I’d like to make a reservation. 予約したい。

I’d like to have mineral water. ミネラルウオーターが欲しい。

I’d like to go shopping.     買い物に出かけたい。

I’d like to buy souvenirs.    お土産を買いたい。

 

2) Could you ~ ?  ~してくれませんか?という依頼文

例文

Could you clean the room?  部屋をきれにして下さい。

Could you bring the towel?  タオルを持ってきて下さい。

Could you show the bag?   バッグを見せて下さい。

3) Do you have ~ ?  ~ありますか?

例文

Do you have a hair dryer?  ヘヤドライヤーはありますか?

Do you have orange juice? オレンジジュースはありますか?

Do you have an opener?  栓抜きはありますか?

 

これら、三つの依頼表現は言い換えが可能です。英語では、同じ表現を毎回使わず、次には別の表現を使うことで、表現をより豊かにします。

 

店でビールが欲しい場合には、上記の3通りのパターンを使いましょう。

I’d like to have beer.       ビールが欲しいです。

Could you bring me beer? ビールを持ってきてもらえますか?

Do you have beer?     ビールはありますか?

 

4. 知っている英語を海外旅行でも活用しよう

5W1Hはあなたも、ご存じですね。それを英語でしっかり活用しましょう。

例文

「いつ」When can we have breakfast? いつ朝食はできますか?(ホテルで)

「どこで」Where can I get the ticket for that concert?  そのコンサートのチケットはどこで買えますか?

「誰が」Who is he? 彼は誰ですか?

「何を」What do you recommend? お勧めは何ですか?(お店で)

「なぜ」Why don’t you like fish? 魚は嫌いなのはなぜですか?

「どのように」How can I get to the station? 駅にはどのように行けますか?

 

5. 言語コミュニケーションの違い

言語コミュニケーションの型を分類する方法に、高コンテクスト文化と低コンテクスト文化があるそうです。

高コンテクスト文化のコミュニケーションでは、実際に言葉として表現された内容よりも

言葉にされていないのに相手に理解される内容の方が豊かな伝達方法とされます。

その代表例が日本語です。日本の諺には「目は口程に物を言う」「沈黙は金」「口は災いの元」「言はぬが花」など、言葉以外での意思疎通を良しとするのが日本文化です。

一方、低コンテクスト文化のコミュニケーションでは、言葉に表現された内容のみが情報として意味をもつものとされ、言葉にしていない内容は伝わらないものとされる伝達方法です。その代表例が英語です。

米国や英国では、議論の場での饒舌は当然であり、自己主張して始めて意見や能力が認められる文化です。

日本では微笑んだり、軽く会釈したりしてコミュニケーションすることがありますが、欧米では、言葉そのものでコミュニケーションをとります。従って、Hello, Thank you,

Excuse meなどの基本語をしっかり声に出しましょう。

ホテルやアパートのエレベーターで、見知らぬ人と乗り合せた場合、相手からHelloなどと声をかけられます。笑顔だけでなく、きちんとHelloと言葉に出して挨拶をしましょう。挨拶の真意は、お互いが敵ではないことの表明です。

 

6. 英語学習の基本

基本的なセンテンスをそのまま丸ごと暗記して、センテンスのバリエーションを増やしていきましょう。よく聞き流すだけで喋れるようになるという宣伝がありますが、土台となるセンテンスをしっかり覚える必要があります。教材は何でもかまいません。単語だけでなく、センテンス全部を覚えて言えるようにします。

僕の場合は、大学1年生の時にNHKのラジオ講座のテキストを丸暗記しました。そして

その中の文章を目的に合わせて、応用して使えるようになりました。

たいていの方は、中学生から英語を習い始め、文法や語彙の蓄積があります。基本的なセンテンスを覚えれば応用できるようになります。先ずは50種類ほどの英語の型を覚えましょう。

 

7.英語発音の注意点

日本語は平坦な言葉で、かつ母音で終わります。一方、英語はアクセントがあり、かつ子音で終わる単語が多いので、特に気をつけましょう。

1) 英語のアクセント

サラダ(Salad)を日本語風にそのまま平坦に発音しても通じません。

アクセントは第一音節にSaにあります。ラド(発音記号sǽləd)と発音する必要があります。

2) 英語の子音

このサラダの発音でもう一つの注意点は、最後は子音で終わることです。

Saladはサラダとそのまま日本語の母音で終わっては通じません。dという子音で終わらせましょう。ラドですが、最後のドの母音「お」は発音してはいけません。最初のdだけ発音します。

知っている単語で通じないと自信を喪失しますので、知っている単語の発音が正しいかどうかチェックしましょう。

 

8.楽しく英会話を学習しましょう

 

1) 趣味や興味あることから始めよう

海外旅行が好きであれば、先ずは海外旅行で使う英会話を覚えましょう。

料理、園芸、ゴルフ、釣り、乗馬など自分の趣味を英語で学ぶことをお勧めします。

 

2) 単語を語源で覚える

単語の成り立ちを覚えると、記憶がより定着します。また、語源を覚えると関連する単語を一度にたくさん覚えることができます。

例として、port(運ぶ、港)から広がって、porter(運ぶ人)、airport(空港)、import(輸入、im

は「中に」)、export(輸出、exは「外へ」)、support(supは「下で」の意味で、下で支えながら運ぶこと)transport(輸送する。transは転送のこと)、portable(持ち運びできる。

ableは可能なこと)など。

 

3) 好きな英語の歌から覚える

ビートルズは聞きやすいので、英語で歌ってみましょう。

 

4) ネイティブの友人をつくる

海外の友人とSkype(インターネットの無料テレビ電話)でコミュニケーションしましょう。

 

9.英会話学習のメリット

1) 脳の活性化、認知症予防

言語の習得には脳の様々な部分を使うので、脳の活性化には極めて有効だそうです。

2010年に、認知症の発症年齢が、バイリンガル(2か国語を話す人)は、そうでない人の平均より5年遅いとの研究結果がカナダで発表されました。その後、2013年にインドでもs同様の発表がなされました。

2) 視野が広がる

英字新聞を読んだり、英語ニュースを聞くことでグローバルな視点をもつことができます。

例えば、福島原発事故のニュースは日本のメディアと、海外メディアでは、その報道内容が大きく異なっていました。

海外旅行という趣味を活かして、旅行英会話を皮切りに英語を学びましょう。

楽しく学ぶ旅行英会話レッスンを2014年秋から開始します。

 

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